工学男子の日常

モノづくりが好きな男子の日記です。

3Dプリンタを買った話

かねてよりほしいと思っていた3Dプリンタをついに購入してしまった。

 

大学の施設がコロナで閉鎖されてもうすぐ1年……。

そろそろソフトや回路を作って遊ぶのにも飽きてきたタイミング、iCAN(MEMSセンサを使ったプロダクトの大会)世界大会の賞金が入ったのを機に清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入ボタンを押した。

 

 購入したのはこちらのEnder-3。

現在はなくなっているが2万円での出品があったのでケチってそちらを購入した。

レビューが少ないので少し心配だったが結論から言うと杞憂に終わった。

 

 ダンボールから取り出した様子。

パーツは分厚いスポンジを各パーツの形状にくり抜いた中に収められていて、かなりきちんと保護されていた。

 組み立てるとこんな感じ。

一般工学男子なら…というかニトリの家具が組み立てられる人なら余裕で組み立てられる。

印刷可能サイズは200x200x300くらいだがフレームがあるので占有体積は500x500x700といったところ。

小さめのスーツケースくらいのサイズ感。

一度置いてしまうと移動に困るかと思ったが、幸い各パーツがアルミフレームでがっちり固定されているので上部フレームを持ってぶら下げて運ぶことができた。

 印刷してみる。

特に設定は変更していないがなかなかの精度で印刷されている。

……と思ったがやはりセッティングは必要らしい。

 セッティングについてだが付属のプレート表面がかなり優秀なので一層目の定着によく使われるマスキングテープや糊は必要なかった。

プレート下部四隅のネジを回すことでノズルとプレートの距離が調整できるのだがむしろこちらのほうが重要。

なるべく薄い紙を用意してカリカリと少し引っかかる感触になるまでノズルをプレートに近づけ、四隅とも同じ感触になるように調整する。

ここを基準に0.1mm単位でZ軸方向に積み上げていくので、わずかでも距離が異なると浮きが発生する。

温度設定はフィラメントによってお好みだが私の使っているフィラメントではノズル200℃、ベッド60℃で安定している。

 

ちなみにつかっているのはよくわからんブランドのAmazonで一番安いやつである。

このあと部室に1年放置されたフィラメント(購入当時は↑より更に安かった)も印刷してみたが時折気泡が破裂して表面が荒れるくらいだったので、湿度に関してはそこまで神経質になる必要はなさそうだ。少なくともPLAに関しては。

 

セッティングではないが届いたままの状態ではガイドローラーがX軸、Y軸ともキツめに締め込んであるので偏心ナットを少し緩めてやると良い(そのままだと動作時にローラーが削れてしまっていた)。

 

しかしいつまでもちゃぶ台に神棚ばりに鎮座させておくわけにも行かないので、TLのオタク達が絶対の信頼を寄せるアイリスオーヤマのメタルラック(ワードローブタイプ)を発注する。

 

 これにオプションのパンチングプレートを追加して…

 

 うーん工場感が凄まじいぞ。

実際この方法だと複数カラー、素材のフィラメントを即座に交換できるので便利なのは間違いないのだが。

もともとそのスペースに置いてあったカメラの機材を収納して動作試験を行う。

 無機質な部屋に少しでも有機物を、と置かれた造花の鉢植えが涙を誘う。

 肝心の精度に関してだが特に問題なし。

さすがに一桁万円後半の3Dプリンタに比べれば劣るが2万円でこれだけできれば問題なかろう。

思うに3Dプリンタに関して安いから〇〇がダメだ~と言っている大体のケースは調整やセッティングを怠っているか、3Dプリントに向かないものを印刷して文句を言っているケースが多いように感じる。

今回購入したEnder-3は安いながらも最低限の設定項目は揃っており、プレートの調整もとても良くできている。きちんとセッティングをすれば必ず値段を遥かに超えた働きをしてくれると思われる。

 

というわけで3Dプリンタを購入した顛末だ。

購入してから1ヶ月くらい数日おきに何かしら印刷して組み合わせるくらいにハマっている。

サークルの部品の試作も家でできるようになったし、何より学校の設備では不可能な48時間印刷のような事が可能になった。

たった2万円分、ラーメン30杯分でこれが手に入るなら安いものである。

購入を迷っている工学男子、女子の各位は絶対公開しないのでぜひ買ってください。