工学男子の日常

モノづくりが好きな男子の日記です。

3次スプライン補完をやってみた

研究室で複数のデータを滑らかに補完するためにスプライン曲線を生成するプログラムを作成しました。線形補間でもよかったのですが、微妙に直線に乗らなかったので3次スプラインを用いました。せっかくなので実装方法を説明します。

 

3次スプライン補完とは

数学的な解説は合ってるか怪しいので表現などに問題があったらコメントで教えてほしいのですがなんとなくで説明します。

 

小さい順に並んだ x_i=x_1,x_2...x_nとそれに対応するy_i=y_1,y_2...y_nがあったときx_i\leqx\leqx_i+1区間

 

 S(x)=a_i+b_i (x-x_i )+c_i (x-x_i )^2+d_i (x-x_i )^3

 

という3次式の係数a_i=a_1,a_2...a_nおよびb_i,c_i,d_iを適切に決めると全ての点をを通る滑らかな曲線を描くことができます。

「滑らかな」というのは1階微分、2階微分が連続であるという意味です。

 

たくさんある近似曲線の中でも

  1. 指定した点を確実に通る
  2. 速度と加速度が連続である
  3. パラメーターを定めてしまえば計算が簡単

と言った点が特徴かとおもいます。特に1,2は速度、加速度変化がゆるやかなためロボット工学における経路生成などで利点となります。また計算自体はただの3次関数なのでCPU負荷は小さいです。一方で指定した点の数の5倍のパラメーターが必要なのでメモリ的にはあまり優しくないです。

係数を求める

実際の求め方はこちらのサイトがわかりやすかったです。

 

3次スプライン補間で軌跡生成:3次多項式のパラメータを求める(その1)|Tajima Robotics

3次スプライン補間で軌跡生成:3次多項式のパラメータを求める(その2)|Tajima Robotics

 

 

端点において2階微分が0となるようにし、各点におけるS(x),S',S''が連続となる条件からパラメーターを決めていきます。

 

ポイントとなるのはc_iを求める際に逆行列を用いるところです。x_ix_i+1の間隔を1に固定して簡略化する方法がよく紹介されているのですが、任意の点を用いたかったので行列から求めることにしました。

 

上記記事中の係数ベクトルc、行列A連立方程式の右辺b

Ac=b

となるので逆行列A^{-1}を求めて

c=A^{-1} b

とします。

 

逆行列を求める

ここは言語によってライブラリがあったりなかったりいろいろだと思います。

数学的には余因子行列を用いるのが一般的なのかもしれませんが、高次になると行列式を求めるだけで一苦労です。

ここでは掃き出し法を使いましたが値が極端に大きい・小さいと問題が出てくるかもしれません。よくわかってませんが個数が多くなるとLU分解が良いらしいです。

float[][] inv(float[][] A){
  int n = A.length;
  float[][] I = new float[n][n];
  for(int i = 0;i < n;i++)
    for(int j = 0;j < n;j++)
          I[j][i] = (i == j ? 1 : 0);

  for(int i = 0; i < n; i++){
    float buf = 1 / A[i][i];
    for(int j = 0;j < n;j++){
      A[i][j] *= buf;
      I[i][j] *= buf;
    }
    for(int j = 0; j < n; j++){
      if(i != j){
        buf = A[j][i];
        for(int k = 0; k < n; k++){
          A[j][k] -= A[i][k] * buf;
          I[j][k] -= I[i][k] * buf;
        }
      }
    }
  }
  return I;
}

 

実装

なぜか実験用、研究用、Processing用にC++C#Javaで再々実装する羽目になりました。

点が増えるたびに係数配列を増やさないといけないのですが、それぞれ例えば行列はstd::vector<std::vector<float>>、float[,]、floatで微妙に違うので地味に面倒でした。

以下はProcessingで使ったJava用のソースコードになります。

class Spline{
  float[] x;
  float[] a;
  float[] b;
  float[] c;
  float[] d;
  int n;
  
  Spline(int num,ArrayList<Float> xa,ArrayList<Float> ya){
    n = num;
    x = new float[n];
    a = new float[n];
    b = new float[n];
    c = new float[n];
    d = new float[n];
    float[] h = new float[n - 1];
    
    //copy x
    for(int i = 0;i < n;i++){
      x[i] = xa.get(i);
    }
    
    //calc a
    for(int i = 0;i < n;i++){
      a[i] = ya.get(i);
    }

    //calc h
    for(int i = 0;i < n - 1;i++){
      h[i] = x[i + 1] - x[i];
    }

    //calc c
    float[][] A = new float[n][n];
    A[0][0] = 1;
    A[n - 1][n - 1] = 1;

    for(int i = 1;i < n - 1;i++){
        A[i][i - 1] = h[i - 1];
        A[i][i] = 2 * (h[i - 1] + h[i]);
        A[i][i + 1] = h[i];
    }

    float[] v = new float[n];
    for(int i = 1;i < n - 1;i++){
        v[i] = 3 / h[i] * (a[i + 1] - a[i]) - 3 / h[i - 1] * (a[i] - a[i - 1]);
    }

    float[][] invA = inv(A);

    for(int i = 0;i < n;i++){
      float t = 0;
      for(int j = 0;j < n;j++){
        t += invA[i][j] * v[j];
      }
      c[i] = t;
    }

    //calc b
    for(int i = 0;i < n - 1;i++){
      b[i] = (a[i + 1] - a[i]) / h[i] - h[i] * (c[i + 1] + 2 * c[i]) / 3;
    }
    b[n - 1] = 0;

    //calc d
    for (int i = 0; i < n - 1; i++){
        d[i] = (c[i + 1] - c[i]) / 3 / h[i];
    }
    d[n - 1] = 0;
  }
  
  float f(float t){
    float _x = 0;
    int j = 0;
    for(int i = n - 1;i >= 0;i--){
      if(x[i] <= t){
        _x = x[i];
        j = i;
        break;
      }
    }

    float dx = t - _x;
    return a[j] + (b[j] + (c[j] + d[j] * dx) * dx) * dx;
  }
}

xが昇順に並んでいる必要がある点に注意してください。

経路生成などで二次元にしたい場合は媒介変数をtなどとして2つSplineを生成すれば良いはずです。

 

というわけで3次スプライン補正のパラメータ導出方法について解説しました。xが比較的均等でもともと滑らかめなデータだときれいに補完できるんですが、そうじゃないデータだと結構飛んだり跳ねたりする印象です。

 

こういったソースコードを載せる記事を書くのは久しぶりなので問題点等あればコメントで教えていただけると助かります。

ご覧いただきありがとうございました。

CD125Kのエンジン(腰上+α)オーバーホールをした話 ~ヘッド分解、組み立て~

↓前回

kogakudanshi.hatenablog.jp

 

※記事中ではガスケットの除去については省略しています。作業時間の半分以上はガスケットの除去、スクレイピング、研磨です……。

ヘッド分解

前回取り外したヘッドを分解していきます。タペットカバーを車載工具で外したところからスタートです。

が、ここでロッカーアームの取り外し工程を一切撮り忘れるという痛恨のミスを犯しました。手がオイルまみれでスマホ触れなかったんです許して。

 

手順としてはまずタペットアジャストスクリューを緩めて外します。続いてヘッドの左右からロッカーアームシャフトおさえを外します。ロッカーアームシャフトにはM4だかM6のネジが切られているので、適当なボルトを差し込んで引っ張るとシャフトが抜けます。

こうなるとカムシャフトが抜けるようになるので引っこ抜きます。正直この辺知恵の輪みたいになってて記憶が曖昧なので、各自パーツリスト等見ながら頑張ってください。

 

外したパーツはどのバルブについていたパーツかわかるように整理して保管してください。

 

続いてバルブを外していきます。

バルブスプリングコンプレッサです。買いました。このためだけに。

たぶんもう一生使わないと思います。ちなみに上の激安品、バリはありましたが普通に使えました。アタッチメントは下から2番目のを使ったので、もっと大きなエンジンにも使えると思います。

 

こんな感じでバルブスプリングを圧縮して半割になっているコッターを外すと、スプリングリテーナが外せます。この際、外したコッターがしょっちゅう行方不明になります。ヘッド内部は指が入らない箇所が多いのでマグネット付きドライバーなどで救出しましょう。僕は4箇所中3箇所飛ばしました。

 

以上でバルブが引き抜けるようになります。左から順にコッター、バルブリテーナー、アウタースプリング、インナースプリング、バルブです。

 

こちらも当然ですが各バルブの部品が混ざらないように整理して保管してください。

 

なお今回はステムシールなどの交換はしないのでここまでで分解終了です(というか新品は出ないと思われます、知らんけど)。

 

バルブのカーボン除去

外したバルブに堆積したカーボンを除去していきます。最初は優しくパークリに浸して拭き取ってみたりしたんですが、落ちる気配がないので600番紙ヤスリと真鍮ブラシで削りました(絶対に良くないと思います)。

右が除去前、左が除去後です。

燃焼室についてもバルブ当たり面を傷つけない範囲で除去しました。

同様にヘッドのカーボンも除去しています。

 

ただし今回は光明丹とタコ棒などによるバルブのすり合わせなどは行っていません。

一応バルブを閉じた状態でパーツクリーナーを燃焼室にためてみて、漏れていかないことは確認しました。

 

ヘッド組み立て

といっても基本的には分解時の逆を辿るだけです。

各パーツは元あったバルブ位置に戻すようにしてください。

ロッカアームシャフトなどの摺動部品には組み立て後オイルが循環するまでに焼き付かないようオイルをつけてから組み付けてください。

 

バルブクリアランスを調整するためのシックネスゲージです。買いました。

サービスマニュアルが手に入らなかったので一般的なクリアランスにしておきました。

 

タペットアジャストスクリューのナットはしっかりと締めてください

 

というのもここが緩んでいたらしく、後ほど走行中にナットが外れて片肺になるという恐ろしい目にあいました。吸気側だったので致命傷にはなりませんでしたが。

 

各ガスケットは適宜交換してください。

信じられねーことですが、タイから新品の社外ガスケットを入手できました。

 

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、ここまで整備らしい整備はしていません。

ガスケット交換と各部の状態を確認しただけです(そもそも部品が手にはいらないので…)。

ですがエンジン内部の状態が把握できただけでも、どれくらい安心できるのか(できないのか)の目安にはなると思われます。

 

以上でヘッドの組み立てまで完了です。

ご覧いただきありがとうございました。

CD125Kのエンジン(腰上+α)オーバーホールをした話 ~腰上、クラッチ分解~

前回↓

kogakudanshi.hatenablog.jp

 

※予めお断りしておきますが初めての分解&サービスマニュアルも手に入らなかったので参考になりません!!2年も前の話なので本人が忘れています!!

 

ヘッド取り外し

ヘッドを外すにはカムチェーンを外す必要があるので、まずはポイントを分解していきます。

ヘッドの左側カバーを開けたところです(実は分解時写真を撮り忘れたため組立時の写真でガスケットが変わっています)。中央のカムでポイントを押し上げ、ポイントが接触して電気が流れるわけですね。点火時期はプレートの位相で調整しています。プレートはワッシャでおさえているだけなので、ドライバ一本で点火時期が変更できます。

ポイントの接触が悪い場合は紙やすりなどで接点をやすってください。

プレートを外したところです。内部に見えているのは機械式可変進角機構です。回転数が上がると遠心力でガバナが開いて可変します。進角か遅角かは忘れたんですがたぶん進角だと思います。これがあるのでCDKは特定の回転数からエンジン音が変化します。

 

可変進角は現代では必須技術の一つでマイコン制御ですが、かつてはこういうのでやってたわけですね。技術者の端くれとして頭が下がります。点火方法もTCI、CDIどころかダイレクトイグニッションが当たり前になりつつあり、ポイント点火は走る産業遺産です。半導体がつかわれていないため核戦争下でも走れることくらいしかメリットがないです。

 

中心のボルトを外してガバナを引き抜くとカムチェーンにアクセスできます。キックを回すなどしてチェーンクリップが見える位置までチェーンを送り、チェーンを外します。この際チェーンが落ちないようにクリップの前後のコマを針金などで吊り下げてから外すといいと思います。

中央に見えているボルトをはずすとスプロケットが外せます。

ヘッドカバーのナットを外します。かなり固いと思います。頑張りましょう。

ヘッドカバーを開けるとオイル受けがあり、それを外すとカムシャフトが見えます。

この状態で真上に引き抜くとヘッドが外せます。

・・・外せるんですがたぶん固着している&ピンがキツいので叩く、衝撃を与える、打撃するなどして気合で外してください。

 

左奥が裏返したヘッド、左手前がシリンダーです。出てきませんでしたがサイドカバーも外してあります。これでピストンにアクセスできるようになりました。

クラッチ分解

さらに右サイドカバーを外します。キックを戻すためのバネが入っているので、手をけがしないように気をつけてください。

ここも写真を撮り忘れたため組立時の写真です。手前の丸い部品は引っ張ると外せます。クラッチのボルト4箇所を外すとプレートとバネが外れます。

左がクラッチ、右下の箱がオイルフィルターになっています。

クラッチディスク、プレッシャープレート各4枚が入っています。

構造的にクラッチは車両から降ろさずに交換が可能ですね。

 

以上で腰上及びクラッチの分解が終了です。この時点での自宅の状態が上になります。

築2年のアパートでこれをやってるのでバレたら怒られてた気がします。記事ではスムーズに進んでいるように見えますが、実際はネジからなにから固着しているためパークリを1本/日のペースで消費していました。この横にベッドがあるのですが数日間揮発した石油の匂いでろくに寝れなかったです。

部屋の中でエンジンを分解するのはやめましょう。

今回はここまでです。

次回はヘッドの分解になります。

 

↓ここまでのタイムラプスです

 

CD125Kのエンジン(腰上+α)オーバーホールをした話 ~エンジン降ろし~

ずっと忙しくてまとめられていなかった内容なんですが、やっと時間に余裕ができたので記事にしてみます。

大量に撮った写真が2年越しに日の目をみることに。

 

※予めお断りしておきますが初めての分解&サービスマニュアルも手に入らなかったので参考になりません!!2年も前の話なので本人が忘れています!!

 

エンジン降ろし

とりあえず車体からエンジンを降ろします。ざっくりした流れとしてはキャブ→タンク→マフラー→セルモーターの順で外していきます。

キャブ、タンクに関しては以前の記事と同じなのでそちらを参照してください。

kogakudanshi.hatenablog.jp

というわけでマフラーから外していきます。ちなみに本車は腰上いじろうと思うとマフラーまでの分解が必須になりがちなので、この作業はこの後なんどもやることになります(なりました)。

マフラーを固定している金具のナットを外すと更にその下に金具が出てきます。

リア側のナットも外すとマフラーが外せるようになります。多分ガスケットが固着しているので叩いたり揺すったりして外してください。穴には異物が入らないようにショップタオルを詰めておきましょう。

両側のマフラーを外し、チェーンカバーを外すとクラッチワイヤーが外せるようになります。さらにステップやら配線やらを外していきます。チェーンはクリップを外して引っこ抜くといいと思います。

これはポイントから出てる配線です。ギボシなので引っ張って抜きます。

ブレッブレですがたぶん右上の端子を写しています。なんの配線かよくわかりませんがエンジンから生えてるので引っこ抜きます。

僕はこのタイミングでサイドカバーを外してオイルを完全に抜きました。

築二年のアパートの部屋で分解するつもりなので室内で流出なんかしたら目も当てられません。重いし。

この後の工程でボルトを抜いていくのでエンジンを支える必要があります。

車好きの友達からジャッキを借りるつもりだったんですが、そいつが実家で不動になって帰ってこなかったので、転がってた木材を適当な長さに切って使いました。

フロントが若干浮くくらいにするといいと思います。

中央のドレンボルトが邪魔なのでうまいこと回避してください。

載せたらエンジンを固定しているボルトを抜いていきます。上の写真ではすでに抜けていますがリア側に太いのが1本、フロントセル下2本、ヘッドカバーに1本だったと思います。

 

セルを外していきます。

配線がエンジン下を通ってナットどめされているので外します。さらに画面左側のボルトのみはずします。中央のプラスネジはセル自体のネジなのでそのままでOKです。

セルを外しました。むちゃくちゃ固着していて、そもそもはずれない部品なんじゃないか不安になりながら作業しました。最終的には角材で上下前後にぶっ叩いて半日がかりで抜きました。

ちなみにセルを外すと写真中央のチェーンが外れて左サイドカバー分解組み立て必須になるのでできればセルを外さずに分解したいんですが、セルを外さずにエンジンを取り出すことがどうしてもできませんでした。成功した方はご連絡ください。

 

ボルトを抜いた段階でエンジン上には余裕ができるので、ヘッド周りの多少の作業であればエンジンを載せたまま可能かもしれません(ヘッドを外すには結局セル外し必須ですが)。

 

※先に謝罪しておきますがここからは写真を撮る余裕がなかったためエンジン降りるまでノー写真です。

 

といっても気合でエンジンを持ち上げて取り出すだけです。

エンジンを前傾させてリア側のプレートから外し、右もしくは左側に傾けて抜き出すようにすると取り出せると思います。できれば取り出す人とサポートする人の二人で作業するといいと思います。

取り出したエンジンを普通に置くとドレンボルト付近の出っ張りのせいでゴロンと転がるので(1敗)、エンジンを支えていた木材に載せました。

 

というわけでエンジンを下ろすことに成功しました。

125ccのエンジンですが並列2気筒で古いバイクなので重いです。体感ですが小学生くらいはあるんじゃないでしょうか。舐めてかかると腰をやるかもろともコケます。気をつけましょう。

次回は分解していきます。

ご覧いただきありがとうございました。

OpenRocketで自作エンジンを追加する方法

モデルロケットやハイブリッドロケットの初期設計を行う際によく使われているソフト「OpenRocket」で、デフォルトで含まれていないエンジン(Motor)を追加する方法のメモです。

ここではサイズ違いで同名のモーターが2つ存在する「HyperTEK K240」のデフォルトで含まれていない方を作製します。

必要な情報

  • motor name (モーター名)
  • diameter (エンジン直径)
  • length (エンジン全長)
  • delays (放出薬の遅延時間、無しでも良い)
  • prop. weight (推進剤重量)
  • tot. weight (全備重量)
  • manufacturer (製造者)
  • thrust curve (推力曲線)

モデルロケットでは放出薬の遅延時間が選択できるものがあるのでdelayの項目があります。

また推進剤重量とは飛行中に減少する重量(ハイブリッドロケットの場合、酸化剤+グレイン減少重量)のことで、全備重量とは打ち上げ直前の充填完了したときの重量です。

推力曲線は時間ごとの推力の情報が必要です。

.engファイルの作成

メモ帳などで以下のようなテキストファイルを作成します。

; HyperTEK K240
; from combustion experiment by FROM THE EARTH
; created by Dan 2/2022
K240 54 819 P .748 1.607 HyperTEK
0.00    0.00
0.02    305.23

~中略~

6.55    14.15
6.60    12.91
;

セミコロンがついた行はコメントで無視されます

4行目からがエンジンの情報で
 "モーター名 直径[mm] 全長[mm] 遅延時間[s] 推進剤重量[kg] 全備重量[kg] 製造者名"
となっています。


遅延時間について例えば5、10、15秒が選択できる場合「5-10-15」とします。
放出薬を持たないエンジンではPとします(ただし英訳が不安、多分あってる)。

5行目以降は
 "時刻[s] 推力[N]"
のスラストカーブです。

公開されているデータを用いるなり、各自で燃焼実験をして取得したデータを使用するなりしてください。

(本来のRASP File Formatでは最後が推力0になっていないといけないとかデータ点が32個までとか制約があったらしいですが、OpenRocketなどでは制約がなくなっているみたいです)


最後の行にセミコロンを挿入して内容は完成です。
ファイルの拡張子を「.eng」として保存します。
拡張子の変更の仕方については各自調べてください。

ファイルを配置する

OpenRocketの「編集」、「設定」から「ユーザー定義のスラストカーブ」のパスを確認します。
AppDataフォルダが隠しフォルダになっているのでパスで直接移動するといいと思います。
そのフォルダに先程の.engファイルを追加してOpenRocketを再起動すると、追加したモーターが選択できるようになっているはずです。

追加手順は以上になります。
今回は既存のエンジンを用いましたが、自作エンジンでもモーター名、製造者名を適当に設定すれば追加できると思います。
推進剤重量と全備重量や単位など間違えるポイントが多いので、必ず読み込まれた値が適正かチェックしながら使用してください。

参考資料
www.thrustcurve.org
www.hypertekhybrids.com


※使用している学生ロケット団体が多そうなのでK240(細い方)の.engファイルの内容を公開します

; HyperTEK K240
; from combustion experiment by FROM THE EARTH
; created by Dan 2/2022
K240 54 819 P .748 1.607 HyperTEK
0.00	0.00
0.02	305.23
0.07	267.95
0.12	259.52
0.17	264.55
0.22	290.26
0.27	311.85
0.32	318.70
0.37	324.38
0.42	333.89
0.47	338.69
0.52	343.03
0.57	336.69
0.62	335.24
0.67	338.44
0.72	340.45
0.77	339.89
0.82	330.94
0.87	334.69
0.92	341.10
0.97	329.03
1.02	329.95
1.07	323.90
1.12	328.03
1.17	325.74
1.22	326.79
1.27	317.04
1.32	330.04
1.37	315.18
1.42	323.98
1.47	329.11
1.52	330.65
1.57	308.33
1.62	311.81
1.67	322.30
1.72	308.01
1.77	328.09
1.82	308.93
1.87	307.61
1.92	312.39
1.97	319.77
2.02	310.49
2.07	303.76
2.12	292.38
2.17	297.43
2.21	291.64
2.26	331.42
2.31	312.48
2.36	303.72
2.41	290.83
2.46	317.23
2.51	290.97
2.56	291.75
2.61	319.96
2.66	287.12
2.71	290.79
2.76	277.65
2.81	322.10
2.86	286.43
2.91	280.43
2.96	289.19
3.01	269.22
3.06	283.93
3.11	274.59
3.16	266.23
3.21	295.67
3.26	279.07
3.31	284.67
3.36	272.56
3.41	272.03
3.46	272.95
3.51	264.70
3.56	275.07
3.61	257.40
3.66	263.33
3.71	261.01
3.76	252.25
3.81	257.49
3.86	258.29
3.91	256.92
3.96	254.72
4.01	249.32
4.06	253.63
4.11	243.38
4.16	248.66
4.21	244.73
4.26	242.86
4.31	246.32
4.36	241.81
4.41	234.92
4.46	234.23
4.51	235.61
4.56	206.48
4.61	157.93
4.66	133.13
4.71	123.75
4.76	117.10
4.81	106.90
4.86	101.53
4.91	95.18
4.95	90.23
5.00	86.51
5.05	82.08
5.10	78.56
5.15	73.68
5.20	70.52
5.25	66.30
5.30	63.71
5.35	60.00
5.40	56.90
5.45	54.26
5.50	50.92
5.55	48.58
5.60	45.52
5.65	42.85
5.70	40.76
5.75	38.16
5.80	36.19
5.85	33.86
5.90	31.66
5.95	29.82
6.00	27.91
6.05	26.39
6.10	24.87
6.15	23.39
6.20	21.61
6.25	20.81
6.30	18.38
6.35	18.52
6.40	16.11
6.45	15.78
6.50	14.04
6.55	14.15
6.60	12.91
;

ソロキャンプに行った話【出発編】

前回→

kogakudanshi.hatenablog.jp

 

出発

目的地も決まったので出発です。

夏休み中、確実に雨がふらない日程を狙って準備します。

 

とりあえず今回は2日間です。

 

途中のスーパーで食材を購入して行きます。

とりあえず初めてなので温めるだけで食べられるサトウのごはん、炙るだけで食べられるソーセージ、湯煎するだけで食べられるレトルトカレーを購入しました。

 

その他、コーヒーは豆とドリッパー、ペーパーを家から持参します。

これは外せません。

 

バイクに積載したところです。

f:id:kogakudanshi:20211025145513j:plain

なかなかうまく積めませんね。

どうしても前後に伸びてしまいます。

 

設営

到着しました。

今回利用したキャンプ場はノーチェックイン、ノー管理人、ノー水道(トイレあり)。

つまり「この辺りにテント張ってもいいけど自己責任ね」ということです。

ついでに自分以外に宿泊者はいないようです。

 

とりあえず平らで川と斜面から離れた場所を探します。

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ここにします。

前に泊まった人が残したと思われる薪が残っていて使えそうです。

 

とりあえずテントを…

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設営しました。

入り口は風下、基本ですね。

グランドシートは黒のブルーシート(?)の適当なサイズのを使ってます。

夕食

ここから火起こしして夕食を作るわけですが、日没になって大急ぎで火を起こしたのであまり写真が残ってません。

 

火起こしのコツですが、中心から千切った牛乳パック、小枝、枝をティピー型に組み、中心にマッチを投げ込んでやると火がつきます。

乾いた木でないとうまく行かないので薪探しが重要(な気がします)。

 

これはもうだいぶついたところです。

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この状態から薪がボロボロ崩れるおき火の状態になってから調理します。

 

 

夕食の様子をダイジェストでどうぞ。

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↑焚き火で焼いたソーセージと湯煎したサトウのごはん

 

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↑湯煎されるレトルトカレー

 

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↑ソーセージカレー

 

食後

普段夜ふかししているためか、なかなか眠くならず写真など撮って過ごします。

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この写真ではいい感じですが、ライトを消すと…

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マジでなんにも見えないです。

ランタン、ヘッドライト必須ですね。

上の写真に写ってる椅子ですが、100均クオリティで軽くていいんですが腰が痛くなるので帰ってから速攻まともなチェアを注文しました。

 

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適当な時間でテントに入って寝袋に潜り込みます。

そろそろ眠くなってきt……嘘です。食後に飲んだコーヒーのせいで全然眠くないです。

 

仕方ないので本でも読んで過ごします。

こういう場所で読むのにはピッタリですね。

わかりやすく影響されて海外旅行に行きたくなったところで1日目終了。

 

朝食

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また火をおこしてお湯を沸かします。

木が十分乾燥していなかったらしくパンはちょっとヤニ臭かったです。

お湯はコーンスープとコーヒーに使いました。

 

料理してる途中で地元のおじいさんが通りかかったので、ここらのキノコに関する話を聞きます。

ことしはコシカケが出るのが遅いんだとかなんとか。

 

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別角度からもう一枚。

火が灰になりきるのを待つ間に野営場から繋がる登山道を少し散策します。

 

撤収

グランドシートを干したりしていたら12時近くになってしまったのでガスストーブでカップ麺を作って食べます。

 

サイトは来たときよりもキレイに。

燃やしきった灰は穴を掘って念の為水をかけて土で埋めます。

 

最後にサイトをぐるっと見回って撤収作業完了です。

 

 

 

というわけで貧弱装備に超ワイルドキャンプ場でキャンプでしたが、結構なんとかなりました。

たぶん購入した物品の総額は2万円くらいではないでしょうか。

とはいえ椅子が悪かったりランタンが欲しくなったりといった改善点も見えてきたので、装備を整えて来年の夏も来ようと思います。

 

ソロキャンプ、楽しい!!

ソロキャンプに行った話【準備編】

自然は好きですか?

僕は好きです。

 

昨今、人と距離を取りましょうと言うことでアウトドアが流行ってるらしいですね。

別に流行りに乗ったわけでは全然ないのですが、キャンプをすることにしました。

 

といってもお金がないので高価なギアやかっこいいツールは買えません。

当然泊まるところも高くないところを狙います。

 

結果、ほぼ野宿(というより野営)することになったけどそれなりに楽しかったというお話。

 

 

※この話は夏の話です

 

道具を買おう

まず移動手段はバイクです。これはマストです。安いし。

自動車なら重さもサイズもほぼ制限無しなんですが、レンタカーは借りたあとに予報が変わって中止になるともったいないですね。

逆に普段の移動手段なら金曜日に思い立って土曜日朝に出発することも可能です。

 

バイクの場合、多少重くても構わないのでサイズとコスパを見ながら道具を揃えます。

徒歩だと重量もサイズも制限つくので大変らしいですね。

 

とりあえず煮炊きの道具を探します。

やはり自然を感じるキャンプなので焚き火をしたいです。

www.nitori-net.jp

近所のケーヨーデイツーでこれと同じものが千円くらいで売っていたので購入します。

アミ面積は小さいですが、ソロキャンプしかしないので十分です←悲しい

 

一緒に1キロ200円で炭も購入します。

炭は500gで小分けにしてジップロックに入れ、折りたたんだ焚き火台の隙間に押し込んでサイズを減らします。

 

新たに購入した感じで書きましたが、実は購入したのは1年ほど前で、何度か河原で火をおこす練習をしてます。

今でこそそのへんの枝とマッチで着火できるようになりましたが、最初は3時間かかっても着火できなくて自販機のコーヒーで温まりながらマッチの空箱を投げ捨てました(その後ちゃんと拾いました)。

 

流石に焚き火だけだと調理しづらい&心許ないのでガスストーブも購入します。

 

 

はい、安いですね。

これも購入後何度か外でお湯を沸かしてカップ麺を作ったりコーヒーを淹れたりしています。

蔵王山頂でお湯を沸かそうとしたらガス缶が冷えて全然火がつきませんでした。

 

余談ですが、家でマキネッタを使うときにも活躍しています。

 

 

キャンプするにはやはりテントが必要です。

超絶安いです。

あまりにも安いのでてっきり中国の怪しいメーカーだと思っていたら新潟の老舗アウトドア用品店のブランドでした。

いや安すぎやろ。

 

その他のギアも100均(普通のギアよりサイズが小さくてむしろ便利)やニトリ(食器、調理器具はAmazonより安い)、ホムセンを中心に足を使って安く揃えます。

 

寝袋は実家から使われていないヤツを強奪してきました。

目的地

今回の目的地はここです。

家から約2時間、林道もあってツーリングも楽しめる!!

一石二鳥ですね。

 

何より重要なのは無料で予約、チェックイン不要というところです。

別にケチっているわけではなく、金曜の夜に思い立って土曜の朝に出発できる気軽さが重要なのです。ホントです。

 

というわけで次回に続きます。